文藝年鑑への寄稿

日本文藝家協会が編纂する『文藝年鑑2023』に、昨年のSF概況を寄稿しました。

文藝年鑑 2023
定価:5,170円(税込)
発行:新潮社(ISBN978-4-10-750049-6)

2022年のSFをお伝えする文章です。見開きで四千文字ほどの分量しかありませんが、代表的なSF作家やSF文学賞、SF文学賞を受賞した作家の近刊などを紹介しながらオンライン出版された作品や、短編からキャリアを積む作家たちのことも紹介することができました。大森望さんのゲンロンSF創作講座は、どうしても言及しておく必要がありますしね。

個人的に外せなかったのは、SFプロトタイピングです。商業・産業と文学の共同作業には批判もありますが、あらゆる消費が低迷している2022年に、SFの存在感を保つ一助になったことは間違いありません。功罪を含め――というところまでは筆が届きませんでしたが、短い中でも紹介しています。

またSFの大きな部分を占める翻訳についてもいくらか割いています。中国、韓国SFの紹介が多かったことに触れていますが、特にオクテイヴィア・E・バトラーの短編集『血を分けた子供』の訳出について触れることはこの概況を引き受ける大きな動機でもありました。

振り返りは楽しくはありましたがしんどかったので、来年は誰かに譲りたいなあ。

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