成都への便は16:15発の四川航空。私は午前中に奄美大島から成田空港に飛んで、出発の2時間前にチェックインカウンターの列で大森望さんと落ち合った。いつものように行列は長かったが、見た目ほど待たされずにスムーズに搭乗した。四川航空を使うのは2回目なんだけど、機内食にかけてくれる麻辣醤が美味しい。

機内では未来事務管理局から頼まれていた短編の改稿を行った。一段落したので一休みしていると、飛行機は定刻の21:15に成都に到着した。中国の、地方空港の入国審査はとんでもなく時間がかかることがある。2023年のワールドコンの時は、別便で成都に入った日本ゲストチームの入国審査が長引いて、空港の施設が閉まっても出てこなかったという椿事もあったほどだが、今回はビザ免除期間に入ったためか入国審査はスムーズに進み、大森さんと一緒に入国審査を終えることができた。係員の笑顔(苦笑かもしれないが)も引き出すことができた。

空港で待っていてくれた科幻世界の編集者に連れられてタクシーに乗る。車はBVDの電気自動車。運転はスムーズそのもの。運転手は、AppleのCarplayのような統合コンソールは使わずにスマホでDiDi(配車アプリ)を操作しながら運転していた。ホテルに到着すると、フロントの横に科幻大会のカウンターが設置されていて、深夜近いというのに詰めているスタッフがスーベニアバッグを手渡してくれる。

スーベニアバッグの中身は、ゲストIDとハンドブック、ノートとギフト雑誌。いつもは科幻世界の特集号と画報版(Newtonみたいな雑誌)、児童版に、特別編集された短編集がつく程度なのだけど、今年は銀河賞40周年の歴史を伝えるクロニクルブックが二冊も入っていた。

ホテルに到着したのは22:40だったので夕食を食べる店がない。そこで、科幻世界の編集者が、夜食の宅配を頼んでくれた。中国版のUber Eatsみたいなサービスだ。ホテルまで届くと、ワゴンロボットが部屋まで届けてくれるという。どんなふうに動くのか楽しみにしながら部屋に入ってシャワーを浴び、服をハンガーに吊ってハンドブックを読んでいると部屋の電話が鳴った。受話器をあげると合成音声のキャラ声が流れてくる。
〈もしもし、私パンダちゃん。ハンバーガーのお届け物を持ってきたわ!〉
ドアを開けるとフロントにいたロボット目をチカチカさせていた。トレイから袋を出して「完了」ボタンを押すと〈ありがとう。おやすみなさい〉と言って、ロボットは帰っていった。エレベーターを動かす共通インターフェイスがあるのだろう。ロボットは、自分でエレベーターに乗って、一階まで降りていった。

マクドナルドでもケンタッキーでもないローカルのハンバーガーは、しっとりしたバンズと食べ応えのあるパテの組み合わせ。なかなかうまい。そしてスパイシーと書いていないチキンは痛みを感じる程度に辛く、成都に来たことを実感させてくれた。
初日
ホテルで朝食をとり(ニール・クラーク、ロデリック・レーウェンハート、ニコラス・ホワイトに、ニック・ウェルスら懐かしい面々に会って)シャトルバスに乗ると、15分ほどで会場の成都科创生態島に到着。
成都科创生态岛成都科创生态岛,位于四川天府新区兴隆湖畔园区,是四川省首批近零碳排放园区试点。成都科创生态岛由多个高度不同的圆弧形建筑构成baike.baidu.com
ワールドコンのために作られた成都科幻館を使わなかった理由は「遠いから」ということらしい。成都科创生態島は、細胞を模した楕円形の建物が点在する複合施設。メインホールはジオシティックドーム風のホール。

ステージ背面は巨大なLCDスクリーンで、同時通訳ブースも用意されていた。中国のSF大会ではよく見かけていた構成だけど、年々洗練されている気がする。
オーディエンスの席は前からVIP、重要ゲスト、招待ゲスト、ゲスト関係者、一般客。VIPと重要ゲスト、招待ゲストまは箱型のソファで、招待ゲストはクロスを巻いた椅子、一般客は普通の椅子になる。VIP席と重要ゲストの席はソファの左右に机が置いてあり、水とハンドブックとコーヒーが用意されていた。VIPには茶も出て、スタッフがお湯を注して回っていた。

2列目中央あたりに座っているのはキム・ボヨン
VIP席に座るSF関係者は劉慈欣とClarksworldのニール・クラーク、ロータス誌のリザ・グローエン・トロンビー、そしてワールドコンのコンベンションランナー、ニコラスホワイト。つまり、中国SFを外に紹介してくれる人たちが何より重要ということだ。
私の席は前から二つ目の重要ゲスト(一冊も中国では本が出ていないので恐縮やるかたないのだが)。この列の半分は作家だ。私の隣はCyberpunk 2077のプロジェクトマネージャー、パウル・サスコだった。王晋康や何夕、韓松のような中国の有名な作家も同じ列に腰掛けている。キム・チョヨプさんもいたので写真を撮らせてもらった。

ステージが始まる前は劉慈欣さんのところに行って雑談。新しい小説の話をしたり、試してみているという生成AIについて話を聞いたり、私が作ってみたプログラムの話を聞いてもらったり。AIのことは熱心に話してくださった。とにかくSF仲間がいることを伝えたい。喜んでくださったのなら幸いなのだが。

開会式は科学技術協会主席の杨正林氏や四川省人民政府副省長の陈书平らのスピーチで幕を開ける。SFが科学技術の発展に寄与する、といういつもの内容なのだけど、今回は世界的な地政学的不安定さに対する人文的な価値という観点が加わってきているのが興味深い。

一通り演説が終わると、開会セレモニー。ステージに運ばれたスイッチにVIPたちが手を乗せると派手な映像が流れて開会を宣言する。日本ならテープカットをするところ。

開会したら、成都市や四川省、科幻世界の取り組みの発表へと続く。児童生徒のためのコンテスト「四川省青少年科幻创作征集活动」の発表では受賞した子どもたちも登壇する。この子たちは、この後の休憩タイムでも、彼らのヒーロー劉慈欣さんと集合写真を撮っていた。他にもSF体験館の建築デザインコンペが行われることが発表された。

オンラインのSFコンテスト「银河计划」では、プラットフォーマーの阅文集団とコンテンツ側の科幻世界の代表、そのほかの計画の関係者たちがサインするセレモニー。

中国SF海外推進連盟の発足式なんかも合わせて行われた。いつの間にやら推進委員になっていた大森望さんも、発足セレモニーで登壇していた。

いつも思うことなんだけど、中国のSF振興策は常に小中学生をターゲットにしているところが素晴らしい。会場のそこかしこに展示されている子どもたちのSF作品を見ると、SFを作る喜びを感じる。アメリカから来ている参加者は、授業を通して子どもにアプローチすることや大学SF研究会を応援することに疑問を呈する人もいる(創作は個人的なことだろう? というのだ。それも大切な価値観だ)けど、中国の関係者の答えは明確だ。確かに9割の子どもたちは社会に出るとSFをやめる。でも、1%でもSFを続けて作家になれば大成功だし、SF創作は人生の糧になる、と答えてくれる。
ここで開会式は休憩。成都市や四川省から来ている公的な方々は会場から離れ、SF大会が始まる。
オープニングフォーラム

科幻的多重宇宙(SF MULTIVERSE)と題された高峰『サミット』式フォーラムは、作家の劉慈欣、キム・チョヨプとイゴル・サジンスキと、ネット小説プラットフォーム阅文集团の杨晨『ヤンチェン』が登壇し、科幻世界のデスク曾筱洁『ゼンシャオジエ』がモデレーターを務めた。
キムチョヨプには隆盛を極める韓国SFと想像力の根源についての質問が、そしてサジンスキには、ポーランドから世界コンテンツをぶち上げたCyberpunkのマネジメントに質問が集中していた。どうやって世界に受け入れられた設定や会話を作ったのか、という質問は、形を変えて2回行われた。期待されていた秘策はなく、いろんな人が作っていて、それぞれ尊重しているからということだった。これはこれで意味のある答えだね。
ここでも主たる問いは、中国が世界に通用する物語を作るには? というものだった。
このフォーラムで初日の午前の部は終了。銀河賞の贈賞式まで決まった予定はなかったが、ホテルに戻って昼食をとってから、会場に戻ることにした。
会場あれこれ
成都科创生態島の道路に面した広場が中国(成都)国際科幻大会のエキシジョン会場だった。ワールドコンや日本SF大会でもお馴染みの、入場券を持っていない来場者が入れるエリアだ。スポンサーになっている四川省や成都市の企業テント、コーヒーの屋台、スタッフの貴重な食料を売っている弁当屋さんと、書店やSFグッズを売っているショップ、出版社、そして大学SF研究会のテントが並んでいた。



しかし展示会場の目玉はなんといってもサイン会場だ。
私が到着した13:00でもそれなりに並んでいたが、目を引いたのはその隣で待つ人の列。列の後ろはテントの影に隠れて見えなくなっていた。2時間先に予定されている劉慈欣のサインを待つ列だった。主催者は事態を想定していたようで、何人もの警備員と柵が用意されていたので混乱は見られない。2016年の北京で行われたSF大会のサイン会では、劉慈欣のサインを求める人の列が会場の中国航天大学の外まで伸びてしまっていたし、並ぶ人たちも適当な本を手に集まっていたのだが(あのときは小学校の教科書や紅楼夢は2回以上見たし、鄧小平の語録もあった。図書館の札がついた本を手にした人も本当に多かった)、今回並んでいた人たちは、会場の書店で本を買って並んでいた。

あとで劉慈欣にサイン会お疲れ様と話しかけると「いやあ疲れた。今日は2時間半、書き続けた。サインした本は800冊超えてたよ」と、嬉しそうに話してくれた。実はこの時、私は初めて中国語で劉慈欣に話しかけて、中国語で答えてもらったのだ。どうやら私の中国語も少しは上達しているらしい。
実は中国のSF大会では、大学SF研のテントが面白い。同人誌や新聞を配っているクラブは半数ほどで、残りはお気に入りのSFグッズを置いていたり、作品を置いていたり、カードゲームに興じていたり、果ては単なる荷物置き場にしているクラブも少なくない。SFとの付き合い方に幅があるのはいいことだ。
会場をざっと眺めた後はパネルディスカッションに参加した。

これから紙の雑誌はどうなる? というテーマだったんだけど、すでにアメリカは紙の雑誌が死滅しかけていて科幻世界の感じている危機は20年前に通り過ぎてしまっているので、具体的だったり建設的だったりする話にはならなかった。それでも楽しく聞くことができたのは、ゲストとして度々中国を訪れているニール・クラークと、科幻世界の筆頭編集者サラ・チャンの相互の信頼があるからこそ成り立つ対話のおかげだろう。
銀河賞
19:30から、銀河賞の贈賞式が始まった。

この婦人は科幻世界の創設者、杨潇《ヤンシャオ》さん
受賞者リストはこちら。

画像で冒頭だけ紹介したが、小説の主要な賞だけ抜き出してみる。
- 最優秀長編小説賞:杨晚晴『金桃』
- 最優秀中編小説賞:朱柏青『刺杀数学家』、夜×『抽取游戏』、秦雪梨『夜奔』
- 最優秀中短編小説賞:由光乙『灵体』、余华天『文明产房』、张冉『止水』、E伯爵『这班不上也罢』、严曦『巫妖治下』华焉辛『直到死亡把我们分开』
- 最優秀短編小説賞:颁给江波『星星的孩子』、灰狐『别回头』、杨晚晴『来日方长』、宝树『关于人类不得不去寻找龙这回事』、汪彦中『太阳的背后』
リストはまだ続くので、賞の部門名を記す。
最優秀ジュブナイルSF短篇賞、最優秀ジュブナイルSFイラストレーション賞、最優秀科幻オンライン文学賞、最優秀科幻オンライン作家賞、最優秀オンライン科幻海外传播賞、最優秀新人賞、最優秀美術賞、最優秀オリジナル書籍賞、最優秀関連書籍賞、最優秀ゲーム賞(Cyberpunk 2077)、最優秀SF研賞(大学SF研究会の賞)、最爱欢迎外国作家賞(中西モトオさんが受賞)、最優秀翻訳賞、最優秀翻訳書賞、最優秀国際貢献賞(ニール・クラークが受賞している)、最優秀学術作品賞(2023年と2024年)、最優秀科幻渠道賞散(問屋・プラットフォームの賞)、优秀经销商賞(書店・書店ネットワークの賞)。
実に22部門! たった一つの部門しかない日本SF大賞を運営するのに四苦八苦してきたので、この事務処理をこなしているだけでも感服してしまう。受賞者・団体は50を超える――ということは、候補作や団体はもっと多いはずだ。受賞を受け入れるかどうかの連絡とか、そして本体の審査とか。考えたくない仕事量をこなしているのだろう。


このように受賞作がとても多いのが中国のSF賞の特徴だ。正直にいうと、これだけの受賞作を作ることができる体力が羨ましい。翌日の日本人パネルでもモデレーターが用意した質問に「評価される(あるいは売れる)作品・作家はどんなものか」という問いがあった。答えは身も蓋もないが、受賞歴がある作家の作品が売れる。もちろん受賞作も売れる。だから受賞作の多い銀河賞や星雲賞のスタイルは、ジャンルの隆盛を助けるという意味では正しいのだ。もちろん質が伴わなければならないが、部門ごとに五つ程度なら良作は集まってくれる(この数に駄作が入るようならジャンルは衰退してるよね)。
贈賞式を見てて悔しいのは、このたくさんの受賞作の大半が日本では商業出版されないことだ。最近LLMを使って一冊の小説を逐次翻訳するプログラムを書いたから、個人的には文意がわかる程度の機械翻訳で読むことはできるようになったのだけど、楽しむためなら編集の目を通った人間の語りで読みたい。
ちなみにこのプログラムは公開しない。技術的には全く面白くないし、翻訳の質は大きな間違いがない程度、点数をつけるなら20点。それでも巷の翻訳仕事を奪う程度のことはできる。どうせ数ヶ月のうちに誰かが似たものを作るだろうけど、ゴミをばら撒いて自分の収入を減らすような真似顧客の財布を軽くする扉を私が開く必要はないからだ。訳者の卵は本を買ってくれるお客さんなんだから。

ここで一日目のプログラムはおしまい。
星雲賞の同時開催
二日目、銀河賞の会場からは中国人作家がいなくなってしまった。もう一つのSF賞、星雲賞の授賞式に参加するために、朝早いシャトルバスで、2時間かかる成都科幻館(そう、2023年のワールドコン会場だ!)に移動してしまったのだ。
中国には二つの大きなSF文学賞がある。出版社の科幻世界が主催する銀河賞(银河奖)と、作家連盟が主催する星雲賞(星云奖)の二つだ。
銀河賞(银河奖)は今年40周年を迎えた中国で最も歴史のあるSF文学賞。対象となるのは中国国内で発表されたSF作品で、授賞式は、中国(成都)国際科幻大会で執り行われる。この大会は近隣の市民や小中学生の社会見学にも使われる盛大なイベントで、展示会場には子供達がVRゲームやロボットと遊ぶためのブースも用意される。招待される作家たちはパネルディスカッションやサイン会、講演、ビジネスミーティングへと忙しく移動するので、交流は食事時が中心になる。

星雲賞(星云奖)は、中国のSF作家が中心となる世界華語科幻協会が2010年から始めた、華語全体を対象としたSF文学賞だ。授賞式と同時にフォーラムが催される。イベントの規模はぐっと小さく、参加者は作家、編集者、翻訳家と熱心なファンたちが中心になるのでフォーラムを視聴する作家たちと、作品やSFテーマについて話し合う時間が生まれやすい。
どちらも価値のあるSF賞だ。いつもの年なら時期をずらして開催している二つの文学賞が今年は重なってしまったため、受賞者たちは星雲賞に移動することになってしまった。多忙な劉慈欣さんが会場から去るのはいつものこととはいえ、会場ですれ違えばいつも二言三言は言葉を交わす王晋康さんや何夕さん、韓松さん、呉岩さん、そしてたくさんの若い作家たちの姿が見えなくなったのは寂しいものがある。
おかげでというわけでもないのだろうが、二日目は国外から招待されたゲストのパネルが目白押しだった。私もビジネスミーティングひとつと、パネルディスカッション二つに登壇することになった。パネルディスカッションは、また別の機会にお伝えしたいが、今回は同時通訳の滑らかさに助けられた。中国のSF大会で登壇するときは日本語や英語と中国語の通訳が欠かせない。2019年の大会では機械翻訳のシステムをいくつも入れて試していたけれど、どうやら今回は伝統的な同時通訳者を頼むことにしたらしい。これが正解だった。どんな資料を渡していたのか知らないが、極めて専門的なアイディアが滑らかに中国語訳・英訳されていく。AIの翻訳アプリもいくつか試したけれど、とてもじゃないが優秀な人間の通訳には敵わない。人間捨てたもんじゃないね。
こんなふうに私にとっての最終日、二日目は過ぎていった。自分が登壇しているので写真がほとんどないのが残念。
韓国ゲストたち
国外のSF大会で、他の国の作家や編集者たちと交流するのはSF大会の大きな喜びなのだが、今回は韓国チームとタイミングが合って何度も食事をご一緒させていただいた。韓国ゲスト9人が全て女性なので、大森さんには今回も「いつも女性に囲まれていますね」とからかわれてしまった。
韓国には男性作家もいるし、優れたSF作品も書かれている。Webトゥーンや映像作品まで視野に入れるなら男性クリエイターの占める役割は小さくない。それでも銀河賞のゲストが全て女性になったのは、それだけ女性作家の書く作品に期待しているということなのだろう。
実際、キム・チョヨプを筆頭とする若い女性SF作家の作品は素晴らしい。彼女たちの作品はフェミニズムSFと呼ばれることが多く、彼女たちもフェミニズム作家と自称しているのだが、思想だけで小説が売れるわけもない。彼女たちの作品は発想も豊かで、人物の深い感情も社会に置かれた立場もよく描かれている。理工系の修士・博士も多く、科学的な視点も確かだ。小説として、SFとして面白いのだから中国で売れているのも当然だ。
韓国ゲストのパネルディスカッションは韓国語と中国語だけだったのが残念だった。AI翻訳アプリは日常会話ならまあまあ使えるが、固有名詞の飛び交うパネルディスカッションを楽しめるほどではない。中国語と韓国語を勉強しなきゃと思った次第。
ゲストには今年もキム・ボヨンが招かれていたので旧交を温めた。韓国SFの幹を支え、根を張ってきた作家だ。彼女の作品は2015年にClarkesWorldに英訳された。この掲載を目にしたYK.yoonやDejuna(デュナ)ら韓国SF作家たちの奮起があったからこそ、2018年にデビューしたキム・チョヨプたちを正しく評価できた。そして大きく花開くことができたと私は考えている。
どれほど似ているか :キム・ボヨン,斎藤 真理子|河出書房新社どれほど似ているか AIと人間、娘と母、新世代超人と旧世代超人――。全米図書賞にノミネートされ、キム・チョヨプら新世代韓国www.kawade.co.jp
最後に
2025中国(成都)国際科幻大会は素晴らしい体験だった。ワールドコンほどの広がりはなかったし二日目の星雲賞で中国の作家たちと交流できなかったのは残念だが、若いSFファンたちがSFを心の底から楽しんでいる光景に触れることができた。リヨンに呼び出して夏笳と引き合わせたロデリックがついに中国に根を下ろし始めているのも見ていて嬉しいし、久しぶりにやってきたニック・ウェルスも元気そうでなにより。相変わらず私の長編は翻訳されそうにないけれど、銀英伝・列伝はなかなかの売れ行きらしく、サインもしたし『晴れあがる銀河』の感想も聞かせてもらった。Cyberpunk 2077は、Nintendo Switch 2が来るまで待とうかと思っていたのだけど、ちょっと待てなくなってしまった。Macbook M2で楽しめるぐらい動くかな……。
みなさん、また会いましょう。
余録
現地番号SIM+ローミングデータSIMは目論見通りに動いてくれた。+86の電話番号が必要な公共Wi-Fiのアクティベーションには成功したし、DiDiの呼び出しも成功した。そしてローミングのデータ通信で、Googleやmeta、X、Lineが切れることはなかった。
もちろん地図アプリは百度だし、検索するときもBingの中国語版を使うことになる。支払いはPayPalではなくてWeChat Pay。それでもGMailが使えるので、いつもと変わらない感覚でコンベンションを楽しむことができた。容量も6GBで三泊四日なら問題なし。Cyberpunkチームにもテザリングを貸してあげたりもしたが、それでも6GBで十分だった。
しかし接続できるはずのOpenAIは使えなかった。APIのログを読むと利用地域外とのこと。「中国でOpenAIが使えない」と聞くけど、それは中国側の制限に加えて、OpenAI側のブロックもあるということなのだろう。莫大なコストをかけて開発したモデルを「蒸留」されてしまっているので分からなくはないのだが、ローミングしている旅行者には使わせて欲しい。オンラインの壁はまだ高いね。