中国SF大会に行く(準備編)

中国、四川省成都市で開催される中国(成都)国際科幻大会にご招待いただきました。

中国にはいくつかの大きなSF大会が催されているのですが、銀河賞の贈賞も行われる成都の国際科幻大会は、最大規模のSF大会の一つです。会場は成都科学創造生態島。ワールドコンが行われた成都科幻館と同じ、ザハ・ハディド事務所の手による有機的な造形の建物が連なる展示会場です。

从成都走向世界:银河科幻大会升级归来,刘慈欣等领衔中外对话 – 中国科普网中国科普网由科技日报社主管主办,科普时报社运营。www.kepu.gov.cn

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さっそく大会公式でゲストを紹介したいけど、ようやく公開されました。かつて中国版Twitterと呼ばれたWeixin(微信)のページです。

https://mp.weixin.qq.com/s/fnJw8fbtom38ZIAqx4_n0Q

中国側のゲスト作家は刘慈欣リウ・ツーシン王晋康ワン・ジンカン江波ジアン・ボー宝树バオシュー张冉ジャン・ラン谢云宁シェ・ユンニン阿缺ア・チュエ灰狐フイ・フー杨晚晴ヤン・ワンチン分形橙子フェンシン・チェンズ王诺诺ワン・ヌオヌオと、研究者の杨鹏ヤン・ペン。 どうやらウェブサイトで紹介されているのはパネルに出る作家だけのようで、他にもたくさんの作家が訪れるようで、同じホテルに泊まるはずなので交流が楽しみです。

中国で「SF産業」と呼ぶ実業界からはAI生成CGのインフルエンサー卡茲克カ・ジックス、AIとVRの実業家、宋东桓ソン・ドンファン、文化集団COOの白冰バイ・ビンが招待されています。おそらくオープニングの高峰サミットディスカッションで、ゲストの代表――この顔ぶれだと一人が刘慈欣、他は宝树、分形橙子、王诺诺かな――と登壇するのでしょう。2023年以前の中国SF大会ではSF産業側のゲストは映画、映像コンテンツとゲーム業界だったんですが、今年はゲスト全員が生成AI関係の事業者ですね。実業界の方々とは控室も別になることが多くあまり交流できないのですが、中国の生のAI業界について聞いてみたいところではあります。エキシビジョンホールには一般企業もたくさん出展してくるので、そこでも話を聞くことはできますが、経営者や投資家と話せる機会は貴重です。

そして最も密に、主に英語で交流することになる国外ゲストには、今年も楽しみなメンバーが揃いました。アメリカからはローカス誌の編集長、リサ・グローエン・トロンビーと中国のSF大会では常連のClarkes World主催者、ニール・クラーク。ニールは最も初期に生成AIの被害を受け、今も利用に強く反対の声をあげています。膝を突き合わせて話をするぞ。お二人には日本特集を持ちかけてみようとも考えています。
韓国からは韓国を代表するSF作家キム・チョヨプと同じくベテランSF作家、キム・ボヨン。お二人に再会できるのも楽しみ。作品の感想を直接お伝えできる機会です。新鋭のチョン・イエに会うのも楽しみです。韓国SF作家連帯の紹介を見ると受賞歴と映像化まですごいキャリアの作家です。
日本からのゲストは、翻訳家・編集者・そしてゲンロンSF創作講座で教育者としてもますます活躍されている大森望さんと、作家であり翻訳家、そして中国SFとの交流を支えてくださっている立原透耶さん。
ダブリン大会から交流が続いているオランダのSF作家、ロデリック・レーウェンハート。オタク小説でデビューしているロデリックは、SF長編のスターボディが科幻世界からも刊行されていたり、重慶の魚釣台SF大学の執筆合宿でもメンターを務めるなど、中国での人気を確立しつつあるようです。
今年はポーランドのゲストが3人やってきます。Rafat Kosikラファット・コシカ、イゴールIgor Sarzynski、パウエル・サスコ(Pawel Sasko)。ポーランド勢はサイバーパンク2077のスピンオフで繋がっているようですね。アニメは見てるけどゲーム自体を遊んでいないんですが、どこまでSFと作品について話ができるかな(Nintendo Switch2の抽選に当たってればもう遊べてたのに!)。

三泊四日の滞在ですが、同じホテルに滞在するので、朝食ビュッフェ、昼食(いつもと同じならゲスト・関係者だけが入れるビュッフェになります)、そして夜の会食――火鍋が一回は必ず入ります――など、話す機会は続くので、できるだけ多くの人たちと交流したいものです。

訪中の準備

コロナ禍以降で最も楽な訪中になりそうです。何よりビザが要らない、これはありがたい。ビザの取得に関してはどこかで書きたいところなんだけど、日本政府の外交努力には頭が下がります。中国の方々が日本に来るためにはビザが必要なのに。

QRコード決済はWeChat Payの国際カード接続。タクシーの呼び出し・支払いやPOSレジのある場所、街中のレンタル端末ではこのWeChat Payが使えます。そうでない屋台やPOSのない商店、流しのタクシーでは現金をウォレット化できるAli Pay(支付宝)からの送金。こちらも起動してアプリをオフロードし、前回の残高を確かめておきます(この辺りもどこかで書いておきたいな)。

そして携帯電話ですね。中国では、多くの公共インフラの利用にスマートフォンのSMS認証とWeChatのアプリを要求されるので通信環境、携帯電話の準備はそれなりに必要です。docomo、au、SoftBankの三大キャリアなら基本契約の国際ローミングで、通話もGoogle他との通信もできちゃうのですが、実はこのSMS認証が使えません。空港や会場、ショッピングモールの公共Wi-Fiを利用するときワンタイムパッドの送付にSMSを使うんですが、入力できる電話番号は+86で始まる中国本土の電話番号しか受け付けてくれません。また、香港・マカオの通信会社が売っている旅行用の――よく、GoogleやFacebookが使えると書いてあるSIMの電話番号は+852や+853なので、やはり使えません。中国在住の同行者が常にいるならいいんでしょうけど、私は空港からホテル、会場、市内観光までアテンドがつくようなゲストでもないので、コロナ禍が明けてからは中国の現地番号が付いているSIMと、データ通信用の香港・マカオSIMを使っていました。ところが今回、ちょっと様子が違います。

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今回購入したのは上記のSIMですが、このカード、音声とSMSが中国国内仕様で、データ通信部分だけ国際ローミングのようなんですね。SMS認証は中国の現地番号を使いながら、GoogleやFacebooが使えるように書いてあります。一枚のeSIMで2回線ということになります。インドでも一枚で2回線は使ったことがあるのですが、このいいとこどりカードが思ったように使えるかどうか確かめるのが楽しみです。

通信ブロックの対処

ご存知の通り、中国からはGoogleやFacebook、Xをはじめとするアメリカのサービスに接続できません。AppleやMicrosoftには繋がるので、Bing.comで検索したりAppleの翻訳アプリを使ったりすることになります(DeepLは使えます)。小ネタですがAppleはブロックされていないので、通知は飛んで来ます。メールの題名ぐらいはチェックできるんですね。読めないけど。地味に辛いのがOpenAIとAnthoropicに繋げないことです。こればかりはどうしようもないので、gemma3:4bをローカルで使えるようにしておきます。パワーの要るツールにはDeepSeekの口を作ることにしました。APIの利用料が安いので助かります。

それでも必要になったらVPN。しかし悩ましい。緊急用に自宅のルーターに設置していますが、二度、三度とアクセスするとブロックされるので頼りにはなりません。そもそも遅いし。今回はどうしても必要になったら、現地でチケットを買って有料のVPNを使うつもりです。

それでも不安……

何度も行っているので自分の準備はなんとかなるのですが、ビザだけは不安。今年の12月までのビザ免除が突然終わったら、今からビザをとりに行こうとするとちょっと間に合わない。出発の18日までは何事もないことを祈ります。

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