デジタル・エステートのオーディオブック版が完成

Future-SFアレックス・シュバルツマンが、昨秋公開したデジタル・エステートのオーディオブック版の完成をアナウンスしました。録音と配信の手配はDreamscape Publishing。ナレーターはDavid BendenaLauren DePorreMark OwenNick Mondelli

Audiobook of The Digital Aesthete

デジタル・エステートは、AIとアートについて寄稿されたSF短編集です。

来るべき人工知能は美を理解し、アートを生み出せるようになるのだろうか? アートがAIに生成されるものばかりになって人間のアーティストが蔑ろにされるディストピア世界から、人工知能が人間の創造性を解き放ち、高めていく輝かしい未来との間にある世界までをこの目でたしかめましょう.

THE DIGITAL AESTHETE: HUMAN MUSINGS ON THE INTERSECTION OF ART AND AI

収録先は素晴らしいものばかり。二名のウクライナ人ドミトロ・グロモフとオレグ・レディジェンスキーがヘンリー・ライオン・オールディ名義で寄稿した The Unknown Painter は、今年から始まったBSFAの翻訳部門のショートリストにノミネートされました。ロシア語から翻訳された小説が主要なSF賞の翻訳部門にノミネートされるのも、ウクライナ人作家がノミネートされるのも初めて、と翻訳者でもあるアレックスはブログで述べています。個人的にはケン・リュウの GOOD STORIES がお気に入り。LLMが映画などで主要な物語の生成に使われる時代を舞台に「物語る」ことの意味を突き詰めて考えさせる好編です。

もちろん、私が寄稿した大規模言語モデルについて書いた 読書家アリスも、いい作品です。翻訳はエミリ・バリストレーリ。物語は、ポートランドでSFマガジンを編集するボブのデスクから始まります。数千もの投稿作品の中からマガジンに掲載する作品を選ぶボブが使っているのは大規模言語モデルを使う編集サポートサービス「読書家アリス」。大量のサブミッションを読みこなしてその中から良作を選んでくれる読書家アリスは欠かせない存在でした。読書家アリスに助けられて運営しているボブのマガジンは人が書いたものと、主にAIを使って書いた作品が半分ずつ掲載されていますが、ボブは品質も変わらないのに、人が書いたものが半分になる理由がわかっていませんでした。そんなある日、ボブが使っているシェアードオフィスの向かいにあるSF専門書展に、読書家アリスのアイコンと同じ、赤いフレームの眼鏡をかけた女性が入っていくのをボブは目にします――

どうぞ、お楽しみください。デジタル・エステートのオーディオブックは Audible, Kobo Audio , B&N audio などの主要なストアでお楽しみいただけます。

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