『まるで渡り鳥のように』発売

明日11月29日、私の第二SF短編集『まるで渡り鳥のように 藤井太洋SF短編集』(創元日本SF叢書)が発売されます。すべての書店で、とまではいかないのですが、主要な書店には並ぶでしょうし、電子書籍も同時刊行されます。ぜひ手にとってお楽しみいただければ幸いです。

収録した11作品はどれも思い出のある作品で、それぞれの作品の冒頭に短い著者改題を書き下ろしました。作品を書くに至った経緯や執筆依頼に対して考えたこと、作品を読んでくれた方々とのやりとりなどが主なもので、内容に踏み込んだものではありません。作品よりも先に読まれる文ですので、ネタバレもできませんからね。

短編集の話が初めて出てきたのは三年前。収録作の「読書家アリス」や「祖母の龍」はまだ書かれていなかった時期です。ちょうど「落下の果てに」が中国で公開されて、作品のまとまりが見えてきたところでした。短編を整理していた私は、伊藤計劃トリビュートから始まった『公正的戦闘規範』の一連の作品とは異なるテーマの作品がかなりあることに気づいて、長編の相談をしていた東京創元社の担当者に提案したのです。作品を選んでからAmazonやU-Nextとの契約を調整したりするなど、少々手間取ってしまいましたが、その間に「海を流れる川の先」や「読書家アリス」、「祖母の龍」が書き上がったので、作品集はさらに良いものになりました。

実は今回、いくつかの作品について、大きな改稿が必要かもしれないという予感がありました。しっかり書き終えたはずなのに、単体で、あるいはスマートフォンのような小さな画面で読み返したときに少し物足りなさを感じたのです。あれとこれとこの作品には、もう少しわかりやすい余韻が必要かもしれないと思っていました。

しかし、印刷レイアウトのゲラで確認するとちゃんと話が閉じていたのです。作品集として次から次へと読むことができるのと、単体の作品では受け取り方が変わるんですね。行長の長い単行本レイアウトも一助になっていることかと思います。

8編になるはずだった作品集は、お待たせしている間に11編も入った盛りだくさんの短編集になりました。様々な作品が収録されています。おバカなショートショートも入っていますし、日本向けにはあまり書いていない宇宙SFもたっぷり収録しています。歴史ものも2作品入っています。

どうぞごゆっくりお楽しみください。

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