祝、Future Science Fiction Digest Volume 9出版!

短編の英訳を収録していただいた Future Science Fiction Digest Volume 9 がついに出版されました。

東アジア特集となった今号は、中国のSFエージェント、未来事務管理局(Future Administration Affairs)がスポンサーに立ち、UFOパブリッシングでFuture SF Digestのデスクをつとめるアレックス・シュヴァーツマンとともに、豪華な執筆陣を揃え、すばらしいアンソロジーを作り上げることに成功しました。著者は 中国から吴関(Wu Guan) , 代達(Dai Da), 顧適(Gu Shi), 未馬(Wei Ma), アルゼンチンからは グスタヴォ・ボンドニ, 韓国からはキム・ボヨン、そして私です。カバーイラストはものくぼさん。

私が寄稿したのは、まだ日本で発表していない未来志向の短編「まるで渡り鳥のように」です。翻訳はエミリー・バリステさん。物語は、中国の春節帰省が宇宙旅行に革新的な役割を果たしていく、という話です。中国語版を未来事務管理局の春節企画「科幻春晩」に寄稿した作品です。

主人公の日本人の動物行動学者、ツカサが、春節のために帰省してしまったパートナーの中国人エンジニアを待ちながら、宇宙ステーションで研究を続けているところから物語は始まります。春節を終えて帰ってくる無数の宇宙機の輝きを見ながら、ツカサは呆れています――どうして中国人たちは、毎年故郷に帰るのだろう。その習慣をやめないと、木星どころか火星にも行けないってのに。このままじゃ低軌道から出ていけないじゃないか――ツカサは、太陽系を離れ、系外惑星で研究しないかというオファーに悩みます……。

宇宙開発、倫理の進化、ポストヒューマン、そして、ロマンスを詰め込んだお祭りのための短編です。日本での発表をお楽しみに。

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